花火の威力と危険度


花火は順調に燃えている時はきれいで、楽しくってほんとにすばらしいものです。ところが、使い方を間違ったり 異常燃焼した時などは非情にもたいへんな被害をこうむる事があります。このページは玩具花火も含めて、花火や 火薬の威力と危険性を解説したいと思います。是非良く読んで花火を安全に楽しんで下さい。また、花火業者の 苦労を少しでも理解して下さい。

花火はなぜ危険か?これを総合的に考えますと、花火の火薬が「火の着きやすく、威力の強い火薬でないと使用できない」から。 となるでしょう。また、ダイナマイト等を使用する時は人をその現場から遠ざけますが、花火は大勢の人を呼び寄せて行います。 そんな現実もあると思います。大きな花火大会の花火の火薬量は1.5tにもなる事があります。500kg爆弾が見つかって住民 が避難した。なんてありますが、1.5tですよ。1.5t・・・。

玩具花火の恐い所



「かんしゃく玉」
今はあまりお目にかかれませんが、昔は楽しい花火でした。道路にばらまいて車が通るのを隠れてみていたり、人の 近くに投げつけて驚かしたり、悪いガキ大将がいました。今はあまりありません。投げつけるだけで発火して爆発 する訳ですから、実は非常に危険な火薬を使用していたのです。その火薬わずかと細かい小石を混ぜたものを和紙で 巻いただけの花火でした。かんしゃく玉を道路などに投げつけると小石が別の小石をぶつかってその衝撃で火薬に 点火する事になります。ですからこれを大量にポケットにいれて転んだりすると大変です。大やけどをした友達が いました。

「クラッカー」
これも大変危険な火薬を使用しています。かんしゃく玉とほぼ同様の火薬ですが、この火薬を水に溶いて和紙の中心 に一滴たらします。そこに糸をおいて和紙を巻きます。乾燥させてその糸を引っ張ると糸と和紙の摩擦で発火するの です。ほんの一滴ですよ。それであれだけの紙テープを飛ばすのです。ほんとかな?なんてほどさないでください。 危険です。

「運動会のスタート用ピストルの火薬」
これは玩具花火とは違いますが、運動会のスターターが使用する大きな音がするピストルがあります。この火薬も非常に危険です。ほんの1gか2g 位でしょう。それで子供達が怖がる様な音を発するです。保管をしっかりして絶対にほぐさないで下さい。これは 粉の状態でありますから、本当に危険です。

「手持ち花火の火」
夏の夜になると子供達が楽しそうに遊んでいますが、この玩具花火の火薬が燃焼する温度はなんと1200度から 1500度にもなります。やけどでもしようものなら、深くて非常に痛いやけどになってしまいます。熱湯で やけどするのと訳が違います。玩具だからと気を緩めて扱ってないでしょうか。子供だけで遊ばせず必ず大人が ついて遊んで下さい。子供に一生残る傷をつけたのは子供自身でなくて親なんです。

「がん具花火の品質」
現在のがん具花火のほとんどは、中国製となっています。その品質は、随分良くなってはいますが、非常に良いとは言いがたい感じがあります。 煙火検査所という所で検査をして、万全を期してはいますが、大量の花火全てを確認する訳にはいかないのです。がん具花火は 日本の商社やメーカーが中国側と協議して、その製造を中国に依頼し、輸入します。その時にサンプルを煙火検査所で検査し、その性能を把握します。 細かい調査を行い、問題の無いものだけを輸入できることになります。中国のものはサンプルは良いがたくさん輸入するとサンプルと違う、なんて ものが多いらしくて、点火した火が消えてしまったり、通常と異なる燃焼をしたり、となってしまう訳です。取扱説明書を良く読んで、その通りに 使用すれば問題は無いのですが、火が消えたから変だと思って筒の中を覗いたりした時に万一発火してしまうと大変な事になってしまいます。 「おもちゃ」とは言っても「火薬」なんですよ。と自分に言い聞かせて使用するようにしてください。火薬は不安定なものなのです。


煙火の威力と危険性


「運動会の合図」
秋の運動会の日の朝、良く「今日は運動会を実施しますよ。」という合図で花火が打ちあがります。朝早くから迷惑な話かも しれませんが、運動会を楽しみにしている子供や家族にとっては最高の合図です。大きな音で「ドカン、ドカン」と聞こえますが、 この花火が非常に危険な花火なのです。花火は夏の夜のきれいな花火がその中心に位置するような感じがしますが、実は花火の 原点はこの「音花火」にあるのです。
危険である事にはかわりませんが、その危険度の差があるのです。花火大会の花火(例のきれいな花火)は、燃焼しますが、 この音花火は爆燃します。その為に大きな音がするのです。爆然する火薬(本当は爆薬)は、その製造過程でも非常に危険な 花火となります。
どれだけ危険度の高い花火かと言うと、運動会の花火で、良く一発の花火で5回音がするもの (5段等雷と言います)がありますが、でその一つの音で約15gの火薬を使用します。この15gの火薬であれだけの音を作るんです。 もし手でつかんで爆発してしまったら、手首からなくなってしまいます。昔は手首を無くした人もいました。
15gづつ作っていたら商売になりませんが、出来るだけ少ない量(およそ、5kg位・これ以下では今の日本では商売にならないでしょう) で作ります。雷薬を5kg単位で作って、製造者はどれだけ安全か?こんな 問題もあります。発火すれば近くにいる人は生命が危うい位の状況に陥るでしょう。近頃では花火で事故を起こしたら、その会社は危機的 状況のおちいります。事故を起こした花火業者はそんなに大きなミスをしたんでしょうか?
それらのミスは、「空気が乾燥しているのに、無理をして配合作業をしてしまった。」とか「配合台に小さい石があった。」、「床に落ちた わずかな火薬を見逃した。」こんなミスなのです。

「花火の打ち上げ」
花火玉は打上げ筒から発射されますが、この時の威力はどのくらいあるのでしょうか。3号玉で上空約120-130mまで一瞬にして打ちあがります。 もし筒口に手があったらどうなるでしょう。打ちあがる玉に手をはたかれて指を骨折、おおやけどは間違いないでしょう。もし、筒口に頭が あったらどうなるでしょう。頭蓋骨骨折で死亡、となるでしょう。そんなバカな事は無い。と思うかもしれませんが、これは実際にあった事故です。 単純な作業であるが上に信じられないような 事故も発生するのです。ベテランの打上げ従事者でも発生するのです。花火に点火する時は、安全に打上げる為に確認作業が多く、従事者は非常に 緊張しています。何か問題が発生しても対応ができる様に身体を固くして身構えて点火する訳です。そこでチョットした、従事者が考えていない 事態が発生すると、普段には信じられない様な行動をすることがあるのです。

「黒玉の恐怖」
黒玉とは筒から打ちあがったものの、花火玉が上空で爆発しないで地上に落ちてしまう物です。要は失敗作です。黒玉が地上に落ちても地上で 爆発するものはあまりありませんが、その黒玉が人に当たったらどうでしょうか。100mもの上空(3号玉)から200gの固まりが人に当たったら 、当たり所によっては生命も危ぶまれます。10号玉では重量が約9kgの花火玉が、約300mから落ちてくる訳です。絶対に命はありません。 花火が上空で爆発せず、黒玉が発生したのが、解った時の保安距離の中にいる従事者はほんとに緊張します。シーンとなります。黒玉はどこに 落ちるのかわからないから、ほんとに生きた心地はしません。 黒玉は観客の皆さんの所には落ちない様になっています。先ほどの「保安距離」が決められており、その中に落ちます。でも強風が突然ふいて きたりすると・・・・・。ゾッとします。とは言っても黒玉の発生する確率は業者によって異なりますが、数千分の一(黒玉の数/打上げ玉数) くらいでしょうか。頻繁に発生するものではありません。その極僅かな確立に突然強風が観客の方向にふく、という確立が一緒になった時に 発生する事になります。もちろん他の要素もたくさんありますけど。

「花火玉の威力」
花火玉の威力とは、花火大会で良く打ちあがる割物花火の威力としましょう。詳しい事は 埼玉県熊谷市・煙火消費実験に記載してありますので、ご覧下さい。この実験は万一、花火玉が筒の 中で爆発したら。を想定して行われていますが、そんな事はめったに起こることではありません。でもこんな実験を通してもし筒の中で爆発しても 人間は大丈夫なように対策しておく訳です。



花火工場の危険性


「花火工場の周辺民家の危険性」
花火工場は「火薬類取締法」という厳しい法律に従って建てられています。花火工場と周辺民家との距離によって、花火工場に置く事のできる火薬量 が決定されます。つまり万一花火工場で爆発事故等があっても、周辺民家には大きな被害が無いように設計されている訳です(ガラスくらいは 何枚か割れるかもしれませんが、、)。花火工場が爆発して周辺民家に大きな被害を与えた。という話がまれにありますが、これらは花火工場側に 法律違反があった場合がほとんどです。
花火工場の近くに新しく家ができてしまった場合は、その距離に応じて花火工場で扱える火薬量が減ってしまう訳です。近年の宅地化によって花火 工場は縮小傾向になっています。安全の為にはやむ負えない事ではありますが、小さい会社が多い花火業界ではほんとに死活問題です。移転しようにも 新しい土地で許可を得る事は不可能に近いし、なんとか皆さんのご理解をお願いしたいと思います。

「工場内の危険度」
一般の工場とは180度異なる危険性があります。火につながるものは徹底的に排除してあります。マッチ・ライター類は持ち込む事ができませんし、 静電気の発生が多い化繊の洋服は着用できません。また、電気等のスイッチは全て「防爆式」(スイッチ部を回りから防護し接点部が外部に露出しない 構造)です。湿度の低い日に出来る作業は制限されますし、金属、石などによる火花の発生にまで注意します。もちろん掃除は徹底的に行われます。 作業が終わると工室の中は全て片づけられ、水ぶきし、水で流せる所は流します。工室にダンボールが積み上げてあったり、ほこりがあったりする 花火工場は早く退散したほうが懸命でしょう。ほこりは別に恐くありませんが、その中に混じっている火薬が恐いのです。

静電気がアースに落ちる事が恐いので、花火工室内には釘等の金属は表面に出ない様に作って有り、避雷針は必ず設置してあります。万一の際、工場内の 事故の被害を最小限にする為、工室間はある距離を隔てて建てられています。工室の扉は外開き(逃げるのに都合良い)ですし、冷房も暖房もありません。 「事故が発生した時の自分の逃げ道をいつも考えて作業しなさい」なんて言われるし、やっぱり普通じゃありません。

「花火大会の危険度」

まだありますが、今回はこの辺まで。また後で記載します。



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